創業以来、伝統の技法は、あくまでも機械には頼らず、
初めから終わりまですべて手仕事。
真っ赤な炭と格闘しながら、こんがりと均一に焼き上げます。
身を傷つけないよう頭と尾のみの2本打ちにした串は、
タレにつけ炭火にのせ、途中、鉄板で重石をするのが特長。
重石により身が縮まずきれいに焼き上げられ、
穴子の旨みを閉じ込めます。
全国でも名高い明石産穴子は、
噛みしめるほどにあっさりとした旨みが広がる逸品です。
一方で、より身近にお楽しみいただけるよう韓国産穴子も活用。
信頼のおける仲買と契約し、漁師の顔の見える穴子を使用しています。
韓国有数の好漁場で上がった穴子は、濃厚な旨み広がる豊潤な味わい。
双方に、個性際立つ美味しさがお楽しみいただけます。
林喜商店の朝は、夜明け前、炭を鋳こすことから始まります。
使用するのは、炭の最高峰・紀州備長炭。
扱いやすいガスや電気に比べ、大変な手間とコストを要する
代物ながら、その焼き上がりは格別です。
紀州備長炭の高い温度と強い火力、遠赤外線効果で、
芯までじっくり加熱。穴子の旨味を引き出しながら、
ふっくらと風味豊かに焼き上げることができるのです。
代々受け継がれる秘伝のタレは、
戦後から継ぎ足し、継ぎ足し、大切に使い続けてきたもの。
タレにくぐらせて焼く工程の中で、穴子からしたたる汁が溶け出します。
砂糖や醤油、本みりんなどで造る独自の配合のタレは、
穴子から染み出た味が、欠くことのできない最高のエッセンスに。
これまでに焼き上げた穴子の数が物語る、熟成された味わいです。